2階の寝室の引き戸には、無双戸を選んだ。これも、2010年8月1日に京都の井川建具さんを訪れた際に選定したものだ。
寝室の扉については、格子戸、舞良戸、無双戸…と色々あるが、どんなデザインのものがいいのか迷っていた。細目の格子戸は既に1階に使用しているので、少し変化のあるものの方がいいだろう。だが、太目の格子戸は(印象が)重過ぎるし、舞良戸は収納(押入れ)っぽくなるのでこの場所にはそぐわない。というようなことを考えていたのだがなかなかポイントが定まらないので、元々どこかに使えたらいいなと思っていた無双戸を採用することにした。
しかし、いいと思う無双戸が2つ(1枚目の写真の2つ)あり、次はそのどちらにするかで迷った。
1枚目の写真の中央と右の2枚は同じもので、4枚で1セットとなっている建具だ。ただ、今回必要なのは1枚だけなので、こちらの戸を選べば、4枚の中から状態のいいもの1つを選べるという旨みはある。もう一方の1枚目の写真の左の無双戸は、無双部分が少し太目ではあるが、厚みがあまりないためかそれ程重い印象は受けない。結局、設計者の後押しもあり、後者の無双戸に決定した。
ちなみに、2枚目の写真が格子部分を完全に閉じた状態で、4枚目の写真が完全に開いた状態。3枚目の写真はその中間で、少しだけ閉じた状態だ。無双部分が太いのでこのように変化が楽しめる。
1階の和室以外の古建具と同様、嵩上げ処理が必要なのと、寝室で入り口に合わせて幅詰めも必要となる。格子戸や無双戸の場合、格子や無双部分の幅が決まっているので、幅詰めの作業はかなり難しそうだ。
寝室に採用する無双戸の選定の際に迷っていた2種類の無双戸。
最終的に左の濃い色の方の無双戸を採用することに決定した。
格子部分を完全に閉じた状態。
格子部分を半分程度閉じた状態。
格子部分を完全に開いた状態。
格子幅が広いので、完全に開けると、向こう側がかなり見えてしまう.
2010年9月18日、嵩上げされ、調整のために取り付けられた無双戸。寝室の外から撮影。
調整も完了し、最終的にこのような姿で設置された。寝室内から撮影。
いい感じに黒光りしている。