ドードーというのは、かつてモーリシャス島に生息していたドードー鳥のこと。
体長はずんぐりとして1mほどで、翼は退化して飛ぶことができず、動きも鈍かったらしい。そのうえ人間に対して警戒心がなく島への入植者によって食用に乱獲され、17世紀ごろに絶滅したそうだ。
英和辞典をひくと"DODO”ということばにはドードー鳥のほかに「廃れてしまったもの」や「時代遅れなもの」の意味がある。
文明が自然に対しておこなってきたことへのアイロニカルなアイコンとして、ドードーは現代にまで語りつがれてきているような気もする。
丸みを帯びたフォルムがドードー鳥のイメージなのか、その名がついたイデーのチェアを15年まえに2脚購入。
張り地のファブリックは赤とグレーを選択した。
しばらくはリビングに置いていたが、身長150cm足らずのつれあいには座面が高く(身長だけでなく足の長さにも問題あり)座っても足裏が床に届かず、いまいちリラックスできないでいた。
そのうちにドードーは寝室に移動され下着やパジャマを引っ掛けておくサイドテーブル的な扱いになった。その愛らしいかたちに心を動かされ手に入れた椅子なのに、あまりにもひどい仕打ちだ(笑)。
ならば、脚を数センチほどカットしたらどうだろう、とひらめいた。
椅子としてのバランスが悪くなるのは仕方がないが、コンフォータブルでなければ意味がない(もちろんつれあいにとっての話だ)。
しかし、さすがに自分でノコギリをひいて切るのは躊躇した。
そこで購入したイデーのショップへ持ち込むと、意外にも快く引き受けてくれた。
すこし短足(座面の高さは38cmほど)にはなったが、それはそれで、なおさら愛嬌がある椅子になった。