いくらキッチンの換気扇が回っていても、料理をしたあとは肉や魚の匂いが部屋に充満してしまう。そんなときは香を焚く。
このところのお気に入りは京都の松栄堂の「こころみ香」という5種類の京線香がアソートされた商品。
たまたまウチの近くに松栄堂の直営店があり、店先からいい香りがしてきたので衝動的に購入(笑)。
香はそれぞれに、いかにも京都らしいネーミングがされている。すべて白檀をベースにしていて、上品で甘い香りやスパイシーでエッジの効いた香りなど、バリエーションが楽しめる。値段も手頃で、お試しセットという感じだ。
ほとんど香の知識はないが、それでも毎日、順番に焚いていると香りの違いがわかるようになってくる。自分の嗅覚はまだ機能しているんだな、とすこしホッとする。
ただ、どれがどの香りかブラインドテストされたら当てる自信はないけれど…。
香を焚くのに、むかし祖父にもらった銅製(青銅?)の香炉をいつも使う。
蓋には玉を持った獅子が乗っかっていて、なんとも愛嬌がある。全体のフォルムも三つ足でスッキリしていて、自分好みだ。
凝り性の祖父がくれたものだから、たぶん銘のあるものだとは思うが、香炉の入っていた桐箱は捨ててしまったので、いまとなっては出自はわかりようがない。
とにかく、銘があってもなくても、末永く使えたらいいな、と思う。