知人がSNSにアップしていたハーマンカードンのAURA STUDIOというBluetoothスピーカーを見るなり、ビビッときた。断捨離中にもかかわらず、ひさびさに物欲が沸き上がる。さっそくAmazonへ急行。
このコンパクトな小型スピーカー、無指向性というのが大きな特長なんだけれども(部屋のどこにいても高品質な音を体感できるというふれこみ)やはりセールスポイントはそのインパクトがありすぎるスケルトンのボディだろう。上部には穴があいていて、まったくスピーカーらしからぬカタチが衝撃的だ。
音を鳴らすと、高音はけっこうクリア。低音も小型なのにかなり充実している。無指向性なので、部屋のどこにいても音がよく聴き取れる。BGM用としてはいいスピーカーだと思う。
ただ、自分の場合、そのカタチにリスペクトがあったから購入にいたった。ホントのことをいえば音質にはそれほど関心はなくて、そこそこの音で鳴ってくれたらそれでいい。
妄想だが、このハクション大魔王が中から出てくる壷のようなカタチのスピーカーで古い音源を聴けば、ミュージシャン(もちろん故人、それもろくでもない死に様)が煙とともに目のまえに出現しそうな気がするのだ。いや、無論、そういう趣向で音楽を楽しむということですよ(笑)。
ということで、さっそくハリー・スミス編纂の「ANTHOLOGY OF AMERICAN FOLK MUSIC」(もちろんCDだが)をセット。
これは戦前のアメリカフォークソングの源流を集めた歴史的な音源でCD6枚組。
ブラインド・レモン・ジェファーソンやスリーピー・ジョン・エステスなどのレジェンドはもちろんいいけれど、いちばん印象に残るのはDidier Hébert(読み方がわからない)というルイジアナからやって来た盲目のギタリスト。
英語ではなくアカディア語で弾き語っているのでフランス系移民なんだろう。
収録されている1929年録音の“I Woke Up One Morning in May“は酒と博打に溺れる夫に子供ともども捨てられた女房の悲哀を歌った曲(だそう)。
切々と歌い上げる、というか、ショボショボと歌い下げる?感じで、音程はかなり不安定。完全にはずしてるところもある。
ギターのストロークは中学生がコタツでコード表見ながらポロンポロン弾いてる風情で、いまにも止まりそうなグルーヴが危なっかしい。しかし、ここまでヨレヨレなのにぐいぐいと引き込まれてしまうから不思議だ。
Didier Hébertがはるかな時をかけてAURA STUDIOのホールから立ちのぼってきた。イタコスピーカーとでも名付けようか。
アイテムを使い始めた日 2017年 1月
AURA STUDIO オーラスタジオ スピーカー ハーマンカードンのオーディオ機器 オーディオ機器の購入
- ブランド:
- ハーマンカードン
- 品名:
- AURA STUDIO(オーラスタジオ)
- 品番:
- AURASTUDIOBLKJN
- 重量:
- 3.8kg