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kanayon.mさん

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ミーレの洗濯機

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第 7 話

last update : 2017.10.31 メンテナンス
第 7 話

洗濯乾燥機の故障を機に、調べて分かった『ミーレの乾燥機能の仕組み』

普通

ミーレの洗濯乾燥機(MIiele Waschtrockner WT2780)を使い始めて約5年になります。
この8月に乾燥機能が故障したことをきっかけに、どんな仕組みで動いているのか?きちんと知った上で使っていきたいと思い、色々と調べてみました。ちなみにエラーコードは、F55です。

そこで分かったミーレの洗濯乾燥機の乾燥機能の仕組みについて書きたいと思います。

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ミーレの洗濯乾燥機(WT2780)の前面パネルを外したところ
ミーレの洗濯乾燥機(WT2780)の前面パネルを外したところ
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真上のパネルを外したところ、手前が前
真上のパネルを外したところ、手前が前

ミーレの洗濯乾燥機WT2780はヒーター式です。
仕組みは、まずヒーターで温めた空気をドラム内の洗濯物に当てます。その後、洗濯物から出た湿気を含んだ空気を水で冷却し結露させ、空気から湿気を取り除きます。そしてまたその空気をヒーターで温めます。この繰り返しです。(ミーレの単体の乾燥機とは、作りや仕組みが全く違います。)

上の写真2枚は、ミーレのサービスマンの方に点検に来てもらった時に撮影したパネルを外した前面と真上からの写真です。

ヒーターは、ドラムの外側を包む排水コンテナの中央上部にあって(中央に位置してる長方形の鋳物)ヒーターには、ドライヤーのような形をしたファンモーター(右側後ろに位置)が風を送ります。
そしてヒーターを通過した風が温風となりダクトを通って、ドラムの中に吹き出されます。

ヒーターからダクトを通ってきた温風は、一旦、ドアの内側の凸面に当たって、ワンクッション置いて洗濯物に当ります。

凸面のあるガラス製のドア。このガラス面に温風が当ります。

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右側後ろにあるファンモーターとコンセートチャネル
右側後ろにあるファンモーターとコンセートチャネル

上の写真は、排水コンテナの後ろに鎮座してるファンモーターと湿気を取り除く部分であるコンデンセートチャネル(condensate channel)です。(日本語翻訳で凝結水路になります。ドイツ語では、kondenskanal)

洗濯機の仕組みを理解するにつれ、ワクワクする気持ちが沸き起こってきましたが、その中でも一番面白かったのが、ファンモーターと一体化してるコンデンセートチャネルです。
コンデンセートという言葉を聞いた時に、鋳物でできた熱交換を行うコンデンサーを連想しました。(エアコンで使われいるヒダヒダのあれです。)

しかしこの機種のコンデンセートチャネルは樹脂で出来ています。
銀色の部分がファンモーター。白い部分がコンセートチャネルです。

エアコンや日本製の洗濯乾燥機などで使われるコンデンサーとは違い、とてもコンパクト。
この部品によって、ビルトインサイズの洗濯乾燥機を可能にしてたのかぁ。。

こんな部品が、湿気を水に変えて排出させているとは思っていなかったので、びっくりしました。
シンプルなんだけど、発想が面白くて好きになりました。

上の図でファンモーターと一体化してるコンデンセートチャネルの仕組みを説明します。

コンデンセートチャネルは二層構造になっており、その一層(背面側)には水が流れています。
その水によってコンデンセートチャネル全体が冷やされています。(もう一層は空気が通る層です。)
また空気はコンデンセートチャネルと一体になっているファンモーターによって、コンデンセートチャネル、ヒーター、ドラムを循環しています。

(1)ヒーターで温められた空気がドラム内の洗濯物から水分を回収

(2)湿気を含んだ熱い空気がコンデンセートチャネルに入ります。

(3)水によって冷やされたコンデンセートチャネルによって、空気が結露します。

(4)結露した水は、コンデンセートチャネル下部の排水口から出て行きます。

またコンデンセートチャネルには、ドラムから空気とともに洗濯物から出る綿毛も入ってしまうのですが、
糸くず取りコースを運転させると、コンデンセートチャネルの上部から水が流れ、洗い流す仕組みになっています。

上の写真は、修理時に撮影したコンデンセートチャネルです。

《今回の乾燥機能の故障の原因について》
はじめは、『糸くず取りプログラム』では取りきれない綿毛が詰まって故障しているのだろうと思っていました。
ネットでもこのトラブルが多かったし、国内の洗濯乾燥機でもこの綿毛が問題で乾燥機能が動かなくなっていたからです。
『糸くず取りプログラム』は、乾燥を終えたら必ずしなくてはいけないお約束の6分間のコース。コンデンセートチャネルだけでなく排水コンテナ、ドラム槽もきれいに洗い流してくれます
わたしは、毎回このプログラムを欠かさずやってたので、洗濯乾燥機は、まだまだ未完成、発展途上の商品なのか?と思ってました。
だけど、写真で見る通りコンデンセートチャネルの内部やファンはきれいで、綿毛は全然付いていませんでした。

結局、使用してる間にモーターの軸がぶれてファンが正円を描けずに止まってしまい、動かなくなったということでした。個体差による物と思われますが、部品は検証のため、ユニットごとドイツに送られることになりました。

ここで感じたことは、巷で言われてる綿毛が詰まって止まるという噂とは違っていて、ちゃんと部品の改善が着々と行われてるんだということでした。
ネットで見ると日本で販売された初代のミーレの洗濯乾燥 機WT945のコンデンセートチャネルと現在、販売されているWT2780のコンデンセートチャネルとでは、カタチが変更されています。水の流れる位置を変えたり、綿毛が冷却層に侵入できないように工夫がされています。

そしてこの『糸くず取りプログラム/Rinse out fluff』は、ミーレの特許技術です。

ミーレの洗濯乾燥機のコンデンセートチャネルのことを理解するといかに『糸くず取りプログラム』が大切かわかると思います。仕組みを理解しないままでコースのスイッチを押すのと仕組みがわかった上で押すのとは全然ちがいます。
本当の意味で機械が自分の物になった、商品に対して責任を持った気がしました。

《追記》
今回、洗濯乾燥機の乾燥機能の仕組みを調べていくうちに国内外の洗濯乾燥機事情も見えてきて勉強になりました。
部品がドイツから届く間、国内の洗濯乾燥機は、どうなってるの?って思い、大型量販店へ行き話を聞いてきました。
私が国産で気になったのは、パナソニックのもの。
ちょうど、パナソニックから来てる販売員の方がいたので質問してみたら、
パナソニックも数年前まで繊維から出る綿毛でコンデンサーが詰まって乾燥機能がよく止まっていたそうです。もちろんクレームも多かったそうです。
その対処方法として今は、トップパネルのところにフィルターが来るように装置を配置してフィルターをユーザーが洗えるようにしているとのこと。
実際、使用してみないと分からないのですが、どのメーカーも洗濯乾燥機のトラブルの原因は綿毛。知人のお家は、2〜3年の間に1度、綿毛の掃除に来てもらいながら使っているとのことでした。


ミーレの場合は、コンデンセートチャネル内を『糸くず取りプログラム/Rinse put fluff』で洗浄できるので、乾燥コースを使用した後は、必ず行うことをお忘れなく!

追記:
乾燥プログラムの使用頻度:1回/日
気をつけていること:1)洗剤の量を少なめに温度で洗うようにしている。理由は、洗剤の量が多いとすすぎきれない洗剤がドラムを支えている軸や軸受(ベアリング)に付着してサビの原因を作るため。
          2)糸くず取りプログラムを乾燥プログラム使用後、必ず行う。
          3)ディスペンサー(洗剤投入ケース)は、こまめに洗って乾燥させている。
          4)排水フィルターの掃除をこまめにする

アイテムを使い始めた日 2012年 9月

condensate channel Kondenskanal 凝結水路 Waschtrockner WT2780 Washer tumble dryer WT2780 Miele WT2780 F 55 Rinse put fluff Flusen ausspülen ミーレの洗濯機 洗濯機のメンテナンス

ブランド:
ミーレ
品名:
WT2780WPM
寸法:
幅595mm × 奥行580mm × 高さ820mm
重量:
kg
施工・購入:
ガイア株式会社
関連サイト:
http://www.miele-store.jp/home/miele-jp
社長インタビュー:
http://modernliving.jp/shimodas_eye/node_5154
スチームケア:
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/636037.html

ミーレ(Miele)

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