空間デザインの中村です。
今回は現地調査第二弾!
プロの道具編と題して、現地調査に最も必要なものである【スケール】について書いていきます。
【スケール】よりも【メジャー】の方が一般的かもしれませんね。
大工さんや建築家用のプロ用メジャーと思っていただいたら良いと思います。
たくさん種類はありますが、私たちの会社がよく使うのは【TAJIMA】のスケールです。
スケール…と呼んでいますが、正式名称は【コンベックス】といいます。
品質が良いため私の周りは皆使っています。しかし一つ問題が…それは高い!ということ。
商品によっては、1つ5,000円を超えるものもあるぐらいです。
余談にはなりますが、実はスケール【コンベックス】には3つの定義が存在します。
1:先端に0基点となる爪(先端の金具のこと)が装填されている
2:テープにアール(曲面)が付いているもの(テープに水平保持力をもたせるため)
※テープとはスケールのメモリの部分です。
3:本体内部にテープを引き戻す機構があるもの(バネの力でテープを戻す) です。
テープ巾・長さは数種類あります。巾は13mm~27mm、長さは2m~10mがJIS規格品です。
1,2が無いものは一般的には巻尺、3も無く、長さが10m以上あるものは巻尺の 中でも長尺と呼ばれています。
さて、本題に戻ります。
なぜプロは一般的なメジャーを使わずに、スケールを使うのか?
理由としては2つあります。
1:立ちに優れている。
2:爪にあそびがついており、引っ掛けても、突き当てても0から測ることが出来る。
まず、1つ目の「立ちに優れている」とは、水平保持力があり、スケールのテープを伸ばした時に曲りが非常に少ないということを表しています。
この曲がらないという事は長い距離を測る際に非常に重要です。
一般的なメジャーの場合だと、テープをある一定の距離まで伸ばすと途中で折れてしまいます。
そうなると、長い距離を測る際には誰かに爪(先)を持ってもらい二人で測らないといけません。
しかし立ちに優れているスケールでは、二人必要な距離を一人で測ることが可能です。
特に、天井の高さを測る時に途中で折れないというのは重要なポイントになります。
2つ目は「爪が移動する」ということ。
例えば、何かにひっかけて測定をした場合、爪は先端方向へ移動。
0基点で測ることができます。
また、壁に突き当てて測定しても、今度は爪が本体方向へ移動。
これまた0基点で測ることができます。
爪が固定されているスケールも勿論存在します。
固定爪は引っ掛け測定専用。
常に爪の内側が0基点となっています。
スケールもなかなか奥深いです。
以上で現地調査第二弾終了です!第三弾をお楽しみに!
これがスケール(コンベックス)です。この重量感が私は凄く気に入っています。
これは、G3ゴールドロック マグ爪-25 5.5mという商品。
定価で4,000円ぐらいします。(驚)
写真では、約180センチメートル伸ばしています。
少し先の部分は曲がってきていますが、まだ折れていません。
一般的なメジャーであればとっくに折れています。凄い!
これが爪の部分。中央に穴が開いています。
この穴に釘をひっかけて測る事が出来るようになっているんです。
またその両側にある丸いものは、ネオジム磁石です。
鉄骨や鉄板など、爪がかけにくい場所にはこのマグネットでピタッと密着させることができます。
このネオジム磁石は強力で、約900gの保持力があります!
(ちなみに、このマグ爪を金属にくっつけ、テープを引きながら測定した場合は1.6mmを測定値から引く必要があります。爪が移動するためです。)
この測り方をひっかけ測定と呼びます(見た目通り!!)
爪がひっかけたことにより先端に動いているのが分かりますでしょうか。(テープと爪との間に隙間があります。)
先端に動いたことにより0基点で測ることが出来ます。
この測り方を突き当て測定と呼びます(これまた見た目通り!!)
今度は爪が本体方向へ移動したことが分かりますでしょうか。(テープと爪との隙間がなくなりました。)
本体方向へ動くことにより0基準で測ることが出来ます。