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全 1 話

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last update : 2014.6.19 その他

フローリングの種類について

空間デザインの森田です。

今回はフローリングの種類について。

フローリングには大きく分けて

1.合板フローリング
2.無垢フローリング

の2種類があります。


まず1つ目の合板フローリングとは、合板の上(表面)に薄い化粧板を接着剤で張り付けたもの。(写真2枚目~5枚目)

合板というのは、単板(木材の薄板)を複数枚、繊維方向が90度に交わるように互い違いに重ねて作られている板のことで、日本ではベニヤ板とも呼ばれています。

メリットは、繊維方向が違う板が重なっているので、反りや伸縮が少ないこと。

木の宿命ともいえる温湿度の変化による影響を受けにくく、狂いが生じにくいという特徴があります。

一方で、表面に張られている化粧板は厚さ0.6mm前後のため、木の温かみや質感は感じにくいかな…と思います。(2mm以上の分厚いものもありますが、高級品で値が張ります。)

また、傷がつくと下に張ってある合板が見えてしまうため、傷が目立ってしまうというデメリットも。

接着剤の人体への影響を心配される方もいらっしゃいますが、2003年7月1日に施行された建築基準法のF☆☆☆☆(Fフォースター)に対応している合板フローリングが、今では主流になっています。
※F☆☆☆☆とは28℃の温度条件で、1時間に、1平米当たりの面積から発散されるホルムアルデヒドの量が、5μg(0.005mg)以下というもの。この基準に適合したフローリングは、使用面積の制限を受けません。

無垢材に比べて安価であることや、デメリットを補うために傷つきにくいコーティングがなされていたり、ワックス不要のメンテナンスフリーのものがあったりと、特に実用性を重視される方に合板フローリングはオススメです。


次に無垢フローリングは、合板フローリングのような複層ではなく、単層でできたフローリングのこと。無垢とは、本来は途中で継ぎ足しをしていない一本の木材のことですが、継ぎ足しが少ないものも無垢と呼ばれています。(写真6枚目~写真8枚目)

自然素材そのものなので、温湿度の変化による影響を受けやすく、反りや割れ、隙間などが生じます。

そのため、合板フローリングに比べると施工やメンテナンスに手間がかかるのがデメリット。
価格も合板フローリングよりも高価です。

合板フローリングのように表面をコーティングしていないため、柔らかい樹種の場合、傷やへこみがつきやすいですが、傷口からは表面と同じ木材が見えるので目立ちにくいです。また傷の上から少量の水をたらすと、吸水してある程度傷を修復する場合もあります!

水の影響も受けやすいため、水回りに使用する際は蜜蝋ワックスなどで撥水性を上げることをオススメします。以前、ご自身で蜜蝋ワックスを塗った方は、よりお住まいに愛着がわいたとのご感想も。

傷や反りなどを「味わい」と捉えられる方や、「やはり天然素材がいい!」と思われる方に人気があります。

(写真1枚目)右が合板フローリング、左が無垢フローリング。
断面を見ると違いは一目瞭然です。

(写真2枚目)合板フローリングのアップ。断面が層になっていることがわかります。
ちなみに右がマンション用(コンクリート直張り用)。裏にクッション材が付けられています。

左は一戸建て用。クッション材はありません。

(写真3枚目)マンション用のフローリングは裏返すとこんな感じです。
このクッションのお陰で、多少コンクリートがガタガタしていても問題なく張れる仕組み。
これで遮音している、というわけではありません。

マンションのフローリングは「ちょっとフワフワした感じがある」と思ったことはありませんか?
それはこのクッション材の影響かと思われます。

(写真4枚目)合板フローリングの表面。木目はありますが、表面はつるっとしています。

(写真5枚目)合板フローリング施工例。隙間などはなく、ぴったりとおさまっています。

(写真6枚目)こちらは無垢フローリング。
合板フローリングと違って、層になっていません。

そのため自然の風合いがありますが、木の性質(温湿度による変化で伸縮する)が残っており、継ぎ目に隙間が開いたり、反ったりします。

(写真7枚目)無垢フローリングの表面。合板フローリングほどはつるっとしていません。

(写真8枚目)無垢フローリング施工例。中央付近に隙間が生じていますが、表情が豊かです。
このような現象を「味わい」と捉えることができるかが、無垢材を選択するかどうかのポイントの一つとなります。

2014年 6月 1日

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