あきらさんの寝室には、クリムトの絵画(ポスター)が飾られています。
グスタフ・クリムトは、19世紀末~20世紀に活躍したオーストリアの画家。
カラフルな色遣いと、この絵画をより効果的に見せるための工夫が、寝室全体を明るく、華やかな空間にしています。
寝室に入ると、まずは「水蛇Ⅱ」が目に飛び込んできます。
絵画の大きさは縦1400mmを超える大きなもので、インパクトがあります。
原画は横向きなのですが、縦に飾った理由は、「リビングにいてもよく目に入る場所で、絵を縦にした方が寝室の入口の長方形とリンクして良い感じに見えたんです」とのこと。
あきらさんが思うクリムトの魅力は、ストーリー性を感じさせるところだそうです。
「平穏な毎日でも、実は崖っぷちに立っているような気持ちにさせられます。また退廃的・淫靡的でありながら品格を感じるところも魅力だと思っています」(あきらさん)
ベッドの頭上には、「人生の第三段階」が飾られています。
「この絵にはほとんど見えていませんが、原画には、母親の左側におどろおどろしい老婆が描かれています。それが見えない分、この愛らしい美しい時間は今だけで子育てのストレスも一時的なものだなぁと、自身をクールダウンできる絵なんです」とあきらさん。
左上の部分に、少しだけ見えているのがその老婆の手。
3人の子育て中の あきらさん。お気に入りの絵で、人知れず気持ちを切り替えていたんですね。
作品の美しさにはもちろん、もう1つ、目を引くのが あきらさんの「飾り方」。
フューシャピンクの布を額縁代わりに使っています。
ベッドカバーや写真右のハンガークロゼットのカーテンなどに落ち着いた色を使っている分、鮮やかな布に自然と目が行き、惹きつけられます。
「額縁がないので…。それに美術館に行っても、真っ白の壁に飾られている絵画ってあんまりないですよね。絵がよりドラマティックにみえませんか?」(あきらさん)
お気に入りの絵画をより美しく見せる工夫が、寝室全体をパッと明るく、華やかな空間にしてくれています。