自宅マンションをリノベーションする際に「和室が欲しかった」という てんさん。
広い土間に面して、茶室をイメージした小さな和室を設けました。
まるで「離れ」のような空間を、マンションで実現しています。
3帖弱の小さな和室。
「茶室をイメージして作りました」と、てんさんが言う通り、スペースは小さいながらも床の間、床柱、違い棚、地袋がしつらえてあり、本格的です。
壁材にもこだわって、壁紙ではなく聚楽(じゅらく)塗りで仕上げました。
パッと見た感じではわかりませんが、触ってみるとその違いにビックリ。ざらざらとした感触は壁紙よりもしっかりとしており、指先で押してみると塗りの厚みを感じます。
床柱は、てんさんご自身が選んだもの。
「西宮の山奥にある銘木屋さん(よろずウッド工房)に行って選びました。床柱なんて選んだことがないので、本で調べたりして。それでイメージしたのはちょっと細めで、曲がってて…みたいな。これがいいかなと思って、お店の方にいくらか聞いたら『1万円』と。それが高いか安いかもわからないんですよね(笑)」
選んだときのエピソードを笑顔で話す てんさん。なかなかない経験ですね。
この和室をつくったのは、「何の部屋でもない、余分なスペースが欲しかった」から。
本を読んだり、ぼーっとしたり、横になったり…。
ここは、少し日常から離れて過ごしたくなったとき、なんとなく一人になりたいとき、そんなときにふらっとやってきて過ごす場所。
もちろん、ここで子どもと一緒に遊ぶこともあるけれど、「〇〇をする部屋」という決まりがないから自由に過ごすことができる、と てんさん。
そんな部屋だからこそ、玄関入って正面の土間スペースに入口を設けました。
「離れみたいな感覚ですね。リビングからは靴を履かないと来られない位置。北側なので真冬は寒くてあまり来ませんが、この独立感がよかったです。マンションでもこんな風にできるんだな、と」
思い入れのある和室を彩るのは、野田版画工房でオーダーした襖紙。
「住まいを購入する1年くらい前ですかね。とあるイベントで偶然に野田版画工房さんと出会いまして。自宅を購入した暁には、和室に使う襖紙を作ってくださいとお願いしていたんです。でもその頃は家を買うなんて全く思ってなかった(笑)それからしばらくして、自宅を購入してリノベーションすることになって…。じゃあ、お願いしないと!って。色やデザインはおまかせなんですよ。自宅から近い、『五月山』と『猪名川』のイメージで、と伝えただけで」
玄関を開けると目に飛び込んでくる鮮やかなブルー。猪名川でしょうか。
土間と和室の段差は350mm。そのため和室の天井高は2000mmになっています。やや低めの天井高も、ほっと落ち着く空間のポイント。
少し小さめの入口も、茶室の躙り口を思わせます。
段差は床下収納として利用。
玄関を入ってすぐの場所なので、アウトドア用品も気軽に入れておくことができます。
3帖弱という広さで、「何に使うんだろう?」と不思議に思える てんさんの和室。
「余分なスペースなんですよね。でも余分なものをつくってよかったなと思っています」と てんさん。
〇〇用という決まりがないからこそ、自由にのんびりと過ごせる。
てんさんにとって、大切な空間です。
- 施工・購入:
- ウィル空間デザイン → イエナカプロのページ
- 分野:
- リフォーム リノベーション
- 住所:
- 宝塚市逆瀬川1-14-6
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- 0797-72-3450
- URL:
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