2SLDKのプランをビッグワンルームにリフォームしたharuさん。
空間づくりのポイントは、キッチンとリビング、ダイニング、ベッドスペースを高さと素材の違いで区切ったこと。
圧迫感を出さずに、うまくゾーンニングすることに成功しています。
左手前から「木目調のフロアタイル」、「石目調のフロアタイル」、「カーペット」と3つの素材が使われているharuさんの部屋。
木目調のフロアタイルと石目調のフロアタイルは10cm、石目調のフロアタイルとカーペットは15cmの段差を設けています。
「友人を招いたときに、料理や飲物を用意しながら一緒におしゃべりできるようにしたかった」とharuさん。
そのため、キッチンはカウンター付きのものを。
カウンター前に椅子を置いて、座る友人と立つ自分の目線が合うようにと考えていたのだとか。
カウンター前の椅子は、TRUCK FURNITUREのSUTTO HIGH STOOL(高さ65~70cmまで調節可)と決めていたため、そこから逆算し、キッチンスペース側の床を10cm高く設定しました。
キッチンの高さは85cm。
カウンター付きのキッチンを探していたものの、既製品では理想の形・色が見つからなかったため、システムキッチンは既製品(KOBE KITCHEN STYLEのFun×kitchen)に、カウンターはイメージに合うものを造作しました。
カウンターの素材はケヤキです。
キッチンのワークトップのマットブラック(メラミン素材)と、ペンダントライトに照らされたケヤキの木目がよく映えます。
床はキッチン側とカウンター側、どちらもフロアタイルですが、キッチン側は石目調を馬目地張りにしており、カウンター側はウッド柄(ブラックチェリー)を模したデザインを使っています。
色味もそうですが、素材感も対照的です。
リビングとキッチンは同じ高さ。
もう1つの高さの違いはベッドスペース。
ここは、キッチンスペースから15cm高く設定しています。
初めは腰高の壁を立てて空間を仕切ることを考えていたというharuさん。
「腰高でも壁を立てると圧迫感が出るんじゃないかなと思って」高さを一段高くすることで空間を仕切ることにしました。
合わせてリビングにはTVボードを置かず、ベッドは高さがないものをセレクト。
ロースタイルのインテリアで、より空間を広く見せています。
「蹴込み(段差の垂直部分)」はカーペットを巻き込んで仕上げました。
見切りが不要なため、すっきりして見えます。
※見切りとは異なった素材を合わせたときの境目部分を処理するための化粧材のこと。
段差に加えて、フロアタイルとカーペットという異素材を合わせたことで、壁なく空間を区切ることに成功しています。
カウンター前のスペースは、そのままバルコニーまで一直線に続いており、まるで通り土間のような雰囲気。
バリアフリー、フルフラット全盛ですが、あえて段差を設けたharuさんの部屋は、一つの空間でありながら、段差をつけることで緩やかに区切ることに成功しています。
また、段差を降りたり上ったりすることで、空間の違いを体感できるのもポイント。
ともすればメリハリのない空間になってしまう可能性もあるビッグワンルームですが、haruさんの場合は、2つの段差が空間に動きと面白さを与えています。