空間デザインの中村です。
リノベーションのプランや見積もりをする為には、現地に行って、あらゆる部分の寸法を測り、正確な図面を作成する『現地調査』が必須です。
マンションのパンフレット図面など、手元にある間取り図面だけを元にリノベーションを進めると、最悪の場合、思い描いたリノベーションのプランが実現出来なかったり、後で見積もりが大きく変わってしまったり、ということが起きます。
「図面」と一口にいっても数種類あり、しかも、どの図面も正確ではない可能性があるためです。
その『現地調査』の中でも、今回は図面に話題を絞り『現地調査~図面編』と題して、中古マンションのリフォーム、リノベーションの現地調査と図面について取り上げます。
中古マンションの現地調査に行く準備は大きく2つ。
①施主様のご希望内容を大まかに伺い、見るべきポイントを把握する
②間取り図orパンフレット図面、竣工図面を用意する、です。
※間取り図orパンフレット図面は施主様に準備していただきます。
上の写真をご覧ください。
これが間取り図です。不動産屋さんからもらう図面は大体こんな感じですよね。
見ての通り何にも寸法が載っていません。
次にこれがパンフレット図面です。
マンション分譲時にもらう図面集の中にある図面です。
大体の寸法が記載されています。
これがあれば大丈夫ではと思われるかもしれませんが、実はこの寸法も正しく無いことが・・・。
クロス、フローリングなどの貼り替えなどの値段なら出せると思いますが、
水回りの交換やリノベーションなどはもっと細かく・正確な寸法が必要なので、これだけでは足りません。
最後にこれが竣工図面です。
大体は、マンション内の管理人室に保管されています。
あまり施主様が見る機会はないかもしれません。
「竣工図面」とは実際完成した建物を図面にしたもの。
今までご紹介してきた3つの図面の中で一番正確な図面です。
しかし、その後リフォームなどで間取り変更をしている場合は竣工図面には反映されていないため意味がない!ということも・・・。
加えて、年数が経過するとコンクリートが膨張していたり、若干の傾きが生まれていたり・・・と、微妙に寸法が変化していることもよくあります。
それがわずか5mmの差であったとしても、希望のキッチンが入らない!ということにもなりかねません。
そのため、この竣工図面の寸法も使用せず、PS(パイプスペース)、換気扇ダクトの位置などを確認するに留めます。
以上の理由で、やはりリフォーム・リノベーションには現地調査が不可欠!
上記の3つの図面を参考にしながら実際に現地へ行き、mm単位であちこちの寸法を測り、電気配線や排水・換気経路、各部分の仕上げを確認し、間取り図よりも、パンフレット図面よりも、竣工図面よりも正確な、リフォーム・リノベーションをするためのオリジナル図面を作り上げていきます。