空間デザインの森田です。
今回は、ビニールクロスの貼替えについてご紹介します。
既存のクロスを剥がして、新しいクロスを貼る、というのが大きな流れです。
こちらが張替え前のクロスです。割と綺麗に見えますが、左下のコンセント付近には汚れが見えます。
まずはこれを剥がす作業からスタートです。
ちなみに一般的なビニールクロスは、表面のビニールと裏打ち紙の2層構造。
クロスを剥がすときには表面のビニール部分だけが剥がれ、裏打ち紙は壁に残ることが多いです。
残った裏打ち紙は、全て剥がすこともできますが、無理に剥がそうとすると下地の石こうボードやベニヤ板を傷つけてしまう可能性もあります。
しっかりと壁にくっついている裏打ち紙はそのままにして、浮いてしまっている部分は剥がし(新しいクロスも浮いてしまうため)、その段差をパテで埋めるという方法が一般的です。
ビス痕があれば、ここもパテで埋めます。
これはまた別の現場ですが、石こうボードの継ぎ目がある場合は、継ぎ目に沿ってならします。(赤い点線部分が石膏ボードの継ぎ目です。)
この下地処理が完了すれば、いよいよクロスを貼っていきます。
少し大きめにカットしたクロスを貼り…
ヘラで空気を抜くように、綺麗に伸ばします。
次に、上下の余分なクロスを切り落とし…
建具枠などに付いた糊を拭き取ります。
そして、重なっているクロスを切り落として…
ローラーで壁に密着させます。
これを繰り返すと…
完成です!
ちなみに…何度かクロス貼り替えを繰り返している壁は、既存クロスの裏に、それまでのクロスの裏紙が重なって残っているため、クロスを剥がした後の下地が凸凹になることが多いです。(これは剥がしてみないと分かりません…)
また、下地が古く傷んでいるときも、既存クロスを剥がすと下地も一緒に剥がれてしまい、表面が凹凸になる可能性があります。
あまりにも凹凸がひどい場合は下地を貼り替えた方がよいかもしれません。
マンションの場合は、コンクリートの壁に直接クロスを貼って仕上げる場合もあります。
その場合はコンクリート壁の凸凹がダイレクトに仕上がりに響くので、薄いクロスは避けるなど、クロス選択時に注意が必要です。