2年前夫の実家に帰省した際、実家の庭先でフキが生えているのを見つけた夫が「フキを持ち帰る」と言い出した。
どうも以前からフキを育てたいと思ってはいたが、ホームセンターや園芸店では見つけられなかったのでこれはまたとないチャンスとのこと。
フキノトウやきゃらぶきを食べるんだ!と夫は喜んでそのフキを根っこごと引き抜き、はるばる5時間もかけて車で自宅へと持ち帰って庭へ植え替えた。
それから2年経った今年の春。
興味も関心もなかった私はほぼフキの存在を忘れていたのだが、庭の片隅でフキは確実に育っていたらしい。
「フキノトウが生えてる!」夫が弾んだ声で私にそう告げた。
倉庫の横からひょっこり顔を出しているフキノトウ。
この瞬間まで存在を忘れていたくせに、育ったとなると俄然興味が湧いてきた。
わずかに生えたフキノトウを摘み取り、さっそく天ぷらにしてみることに。
このとき、ツクシも一緒に調理したのだが、ツクシの下処理の煩雑さに比べればフキノトウの下処理のなんと簡単なこと!
ざっと水で洗って水気をきり、余分な(どこまでが可食部なのかも正直よくわからないのだが)葉っぱを取り除けばそれで出来上がり。
あとは天ぷらの衣をまとわせ揚げるだけ。
カラッと上手に揚げられた!
とても簡単にできた割には、これがまた美味しかった。
サクサクとした歯触り、ほんのりとした苦み。
今まで山菜を食べてきて美味しいと思ったことは正直あまりなかったのだが、これはとても美味しかった。
自分の庭で採れたものを自分で調理したのだということもあって、脳内補正がかかっていたせいもあるのかもしれない。
また生えてきたら是非次も天ぷらにして食べたいね!と夫と喜び合った。
そういえば裏山にはタラの芽もあった、あれも育ったら採ってフキノトウと一緒に食べようとも言っていたのだが、
なんだかんだですっかり忘れてしまっているうちに春は終わってしまった。
お楽しみはまた来年に持ち越しだ。