ベンガラを塗った柱や梁はそのままではちょっと触っただけで黒い色が付いてしまうので、
暫く乾燥させた後に、上から油を塗って仕上げることになる。
塗料屋さんが用意してくれていた仕上の油は、石油系の原料が入っていて臭いが気になったので、
設計業者から紹介された「山中油店」に行き、荏油を購入して使用することにした。
というのも、先日、現場で節の穴埋め等に使用されていた薬品で気分が悪くなったため(妻は何ともなかったらしい…)、
やはり可能な限り自然素材(石油系薬品の使用は避けたい)を使用したいという気持ちが強くなっていたからだ。
山中油店には、ベンガラ塗りの仕上げの油として、荏油・亜麻仁油・桐油が置いてあり、
それぞれの特徴と違いを説明してもらった。
桐油は、一番塗膜が強く、外部に塗るのに向いているとのこと。
しかし、塗布して暫くは臭いが残るため、室内にはあまり向いていないとのこと。
また、油が硬いので、冬場には塗りにくいとのことだった。
一方、京町家のベンガラ塗りの仕上げ(室内)としては、
荏油が最もよく使用されている(また、一番向いている)とのことだったので、
特に迷うことなく荏油を使用することに決定した。
写真左が塗料屋さんが用意してくれていた油で、右が実際に使用した山中油店の荏油。
2010年8月8日、先日ベンガラ塗りをした部分に、仕上げの荏油塗りを行う。
荏油を塗ると、木目がきれいに浮き出てきてベンガラを塗っただけの状態とはまた違う表情になった。
柔らかい赤味も出ていい感じに仕上がった。