もう住み出してから3年も経つので、忘れてしまっていることも多いですが、このリノベーションは人との出会い・繋がりがあって完成しました。
今日は面材との出会いについてお話します。
あれは、2021/11/13。
ベッドスペースとリビングの間仕切りについて悩んでいた頃、大阪南港のATC(Asia and Pacific Trade Center)の中にあるIHPC(ATC輸入住宅促進センター、https://www.atc-ihpc.com)に、何かで見つけた素敵な障子を見に行きました。それは、中井産業株式会社(https://www.nakaisangyo.co.jp)が出している「KITOTE」というシリーズ。「KITOTE」は天然木の心地よさと、職人の技。木と手の素晴らしさを届ける建具で、これなら野暮ったくない間仕切りにできるかと思って検討しました(結局、採用せず)。
行ってみると、組子で有名な株式会社タニハタ(https://www.tanihata.co.jp/)の展示ブースや、オーダーキッチン・ステンレス加工の株式会社松岡製作所(https://www.matsuoka-pro.com/)の展示コーナーもありました。「KITOTE」に真っしぐらだったので、他にどんなメーカーが入っているかも調べずに行っていました。
タニハタさんの組子はやっぱり素晴らしかったけれど、既に同僚の住まいで使われていたので、すぐに興味は薄れました。松岡製作所のステンレスワークトップは、発注予定の先輩の会社のワークトップの製造元だったのでそのステンレス加工の美しさに見惚れながら、いくつかのデザインを興味深く見学。そこで使用されていた水栓Zoe(https://su-giken.com/faucet-parts/10.201.122.html)に一目惚れし、自宅キッチンに採用しました。
アテンドについてくださったN氏は、かつて大手水回りメーカーに勤め、当時は自身でもリフォーム関係の仕事をされていました。そのN氏が「そこまでこだわるなら、八尾の安多化粧合板に行くといいよ。ちょうど、明日、イベントやってるから・・・」と紹介してくれたのが、突板の専門会社である安多化粧合板株式会社(https://veneer.co.jp)です。
行動力だけはある私は、翌日、八尾の安多化粧合板へ。
町工場が立ち並ぶ工場街に突如として現れたおしゃれな建物が、安多化粧合板のギャラリー。株式会社ニンキペン一級建築士事務所の設計によるその建物を見るだけでも自分の感覚が刺激されました(https://www.ninkipen.jp/works/tsukiita)。
そこで出会ったのが、突板のエキスパート橋本征子さん。
今となっては、その時、何を話したかはほとんど覚えておらず、突板に対する並々ならぬ情熱を感じたことと、ポーランドの沼底に何千年も沈んでいたオーク材の話が強く印象に残っています。また、そこで、それまでの”突板”に対する概念がガラリと変わったことは間違いありません。(この日、橋本さんが紹介してくれたファブリックデザイナーとの出会いによって、我が家のベッドスペースとリビングの間仕切りがファブリックとなりました。そのお話は、またの機会に。)
後日、キッチンをお願いしている先輩と橋本さんを繋ぎ、突板の樹種(北海道大雪山のナラ)だけ決めて、あとは2人に全てを委ねて出来上がったのがこちらのキッチンです。
<ご参考>
「化粧合板」とは、天然木を薄くスライスした突板(つきいた)を基材に貼り合わせて、内装や家具に利用する意匠素材のこと。大阪・八尾市の安多(やすた)化粧合板は、そのエキスパートとして、全国の建築家やインテリアデザイナーたちからも、高く評価されています。













2021年 11月 14日