家を建てて、気がつけばもう四年半にもなる。不動産屋の担当者からは「この土地はオススメできません!」と言われるほどのちょっと難ありの、そしてだからこそ格安の土地を購入して建てた憧れの一軒家。そんな我が家のテーマは何かと聞かれたとき、真っ先に思い浮かぶのは「土間」だ。
そう、我が家にはいわゆる「玄関」はなく、家の中心に南北を通る土間があるだけ。
そしてその土間の中央、入り口を開けて真正面には薪ストーブが堂々と鎮座している。
通り土間に薪ストーブ、この2つを如何に活かすかということを中心に据えて建てられたのが我が家だ。
元々夫が京町家好きなこともあり、そのテイストを新築の家にも取り入れていきたいと試行錯誤した結果、こうなった。
設計事務所との当時の打ち合わせ記録を読み返していくと、かなり初期の要望に次のようなことが挙げられている。
■居心地のいい家
◎できる限り無垢材・漆喰等の自然素材を使った家
◎日当たり・風通しがいい
◎冬暖かく、夏涼しい
■町家・古民家のテイストを取り入れたい
◎広めの土間
◎できる限り引き戸を使用
◎見せ梁に古材、古建具の使用もあり
◎2階は屋根の勾配なりの勾配天井
◎適度に、梁などの構造体が見える
こうやって振り返ってみると、最初から軸の部分ではほとんどブレることなく家作りに対するイメージが一貫していたんだなと驚いた。
そしてこれらの要素の全てが、通り土間という空間にぎゅっと凝縮されている。
次の記事からは、もう少し詳しくこれらの拘りのことを書いていきたいと思う。
家の中から玄関扉を臨む。
新築祝いに父から贈られた暖簾と通り土間の組み合わせがとても気に入っている。
建具はいずれも実際の京町家で使われていたものを中古で購入したもの。
玄関から室内を見たところ。
家に入ってすぐに薪ストーブが目に飛び込んでくる。
京町家をイメージした柱、そしてゴロンボ。拘りの一つだ。