2007年頃から数年間、奈良美智さんがアーティスト・イン・レジデンスとして滋賀県信楽で滞在制作をされていた『文五郎窯』を、去年7月に訪ねました。
その時に展示販売されていた横長の小さな鉢を購入したのですが、今回、その鉢に草むらをイメージして、草を植えてみました。
文五郎窯の横長の小さな鉢。鉢というより、ほとんどオブジェみたいです。
手描きで細く黒い線が入っています。
文五郎窯は、奥田文悟さんと奥田章さんの兄弟でされていて、お兄さんの文悟さんは鉢などの大物。弟さんの章さんは食器などの小物を担当。この鉢は、奥田章さんの作品です。章さんは、2007年頃から数年間、奈良美智の作品制作にも協力されていた方です。その作品は、2013年に兵庫陶芸美術館で開催された特別展『陶芸の魅力×アートのドキドキ 展』でも公開されていました。
奈良美智『White Riot』(兵庫陶芸美術館のウェブサイトより引用)
http://www.mcart.jp/25/exhibition/dokidoki/dokidoki.htm
『White Riot』は、白い暴動という意味ですが、これは、The Clashの曲名でもあります。ロックからインスパイアされる奈良さんならではの作品名だなと思いました。
とても大きなセラミック作品(280センチ近くもある)で、圧倒的な存在感をはなっていました。
製作した場所は、どんなところなのかその現場を見たくなりました。
ここがその現場、文五郎窯。こちらはギャラリー。すぐ向かいには、作業場もあって、見学させてもらえました。
ギャラリーも作業場も現代的であたらしい雰囲気があります。この時は横長の小さな鉢ともう2作品を購入しました。
いいアイデアが浮かんだら、相談して水鉢もオーダーしたいと思っています。
そして、その鉢に植える草を探して、やっとこれだと思えた兵庫県宝塚市にある陽春園植物場で買った草。お店の人に尋ねるとこの草は名前が分からないとのことでしたが、多分スゲ科の植物だそうです。苔玉が本来の商品で、苔玉に勝手に生えてきた雑草でした。
カレックスよりも背丈の低い草を探していたのですが、なかなか無くて、ようやく見つけたのがこれです。
道端にも生えていると思うのですが、欲しいときにはみつからないし、苔玉ごとこの雑草を購入しました。
苔玉から雑草を抜いて、幅52cm×奥行4.5cm×高さ5cmという細くて長い鉢に、スプーンで土を入れていきました。
田植えをしている感じ。一本一本、草を並べていきます。
ミニチュア草むらの完成です。
この鉢を見たとき、素焼きの素朴さがあるのにカタチや手描きの黒線の華奢さが洗練されていて、一目で好きになりました。
そして、植えるとしたら主張のない『はらっぱ』のようなイメージの草がいいなぁと思っていました。
最後に霧吹きで水をやりました。根付いてくれるかちょっと心配です。
窓際の床に置いてみました。