兵庫県篠山市にある王地山陶器所で青磁のお茶碗を買いました。この窯で焼かれる王地山焼は、江戸時代中期に、この地の藩主が築いたもの。ところが廃藩置県の直前に廃窯。そして約100年のときを経て、昭和63年に復興されたものです。
王地山陶器所は、篠山市内の古い街並が残る観光地から少し外れた王地山の麓にあります。
これで購入は二回目。前回は小皿二枚と湯のみを購入。翡翠のようなうつくしい緑色の青磁に魅かれました。
そして今回購入したのは外側は青磁、内側は白地に青色で絵付けされた少し珍しいお茶碗です。
今回購入したお茶碗。横から見ると、青磁の器。
底の釉薬がかかっていない、うす茶と青磁との色合いも気に入っているところ。
内側は、青色で絵付けされています。
最初見るとあれっとなる不思議な器。二つの世界が一つの器に収まっています。価格は一つ3,600円でした。
これからは、ごはんを食べると最後にいつも、この山の景色が楽しめます!
この器は最初に内側を絵付けし、後で青磁の釉薬に器の口縁ギリギリまで浸けて、外側を仕上げるそうです。
王地山陶器所を訪ねたこの日はあいにくの雨でした。でも人が少なくゆっくり見ることが出来ました。
王地山陶器所の看板も青磁。
この日、説明して下さった児玉さん。
もう一人、師匠の竹内さんとお二人で制作されています。
王地山焼は、昔から中国風のものが多く作られ、現在は、篠山市立歴史美術館などに所蔵されているその当時の資料や現存する100年以上前の実際の作品をモチーフに作られています。
焼物と同じ土を使って作った型で、型押し整形して作ります。右がその型。左がその型で作られた作品。焼かれることで小さくなっています。
こちらの型は石膏。すぐ手前のそら豆の形をした箸置きの型です。石膏は土の型に比べると早く作れるのが特徴。ただ土のはがれが悪かったり、何度も型を取ると早くにきれいに型が取れなくなるそうです。
普段の生活で使えるものから、凝った造りのものまで、幅広い作品があります。
こちらは円形の一輪挿しでしょうか。
少し愛嬌のある顔をした龍。器自体は、カッチリした造りですが、絵はすこしマンガチックな雰囲気も。
貝のような形、模様をした小鉢。青磁が多いですが、絵付けされた器もたくさんあります。
こちらは前回購入した小皿。型で成形された手のひらサイズの器、植物の花びらや葉が浮き出ており、初めて見たときになんてきれいな器だろうと、思わず手にとりました。
これも前回購入した湯のみ。鎬(しのぎ)という技法でつくられています。
切り込みが入ったシンプルなデザイン。型どりとはちがった美しさがあります。
お茶やコーヒーを飲むときなど普段使いしています。
今日はコーヒーを入れました。
和菓子を出して、ちょっと休憩です。
栗まんじゅうを一つのせるにも
どら焼きを一つのせるのにも、ピッタリ。とくに和菓子が合います。
この器は、来客のときにいつも重宝してます。
王地山陶器所の器が、これで5つになりました。
今回購入したお茶碗もこれから、毎日お世話になります。王地山陶器所は自宅から1時間ほどの場所、同じぐらいの距離に丹波焼もあるのですが、地元の器を使っていると、地に足がついた様な、この場所がより好きになれる気がします。